Projects
関心を説明します。いくらか広がりがありますが、ゆるやかに連関しているところもあるので、それを説明します。 完了、継続中、準備中、ただの思いつき、放棄、さまざまな状態のプロジェクトたちがあります。
中心課題:様相の形而上学
哲学にかぎらずさまざまな場面で様相 modalityの概念が用いられます。典型的には可能性だとか必然性だとかですが、そこまでぎょうぎょうしい言葉でなくても、「あれ、冷蔵庫にプリンがあったかも」「豚が空飛ぶくらいにありえない」といったような自然言語での表現も様相をあらわしたものだとみていいでしょう。 これを説明するために現実世界以外の世界、可能世界 possible worldsというアイディアが考案され、 様相にかぎらず幅広い概念への応用にある程度成功をみせています。 しかし、依然として残る問いは、では、このある程度成功した理論が要請しているという可能世界なるものはいったいなになのか、 という形而上学の問です。便利な理論のための措定、現実世界の再構成、その世界で正しい文の集合といった抽象的なものだとする意見が人気ですが、わたしはその論敵、悪名高き、そしてある意味人気といえば人気の、David Lewisの流儀によるgenuine modal realismの線をもうすこしがんばってみたいと思っています。彼のバージョンそのままでは擁護は厳しいので、いくらかの改良を加えます。ただし、その改良とは、ルイスは過激でやばいので穏健にするというより、むしろ彼の至らない点は中途半端さだ、過激さの徹底こそが批判を退ける、という超左派スタイルでいきます。
様相
方法論
形而上学はしばしば、言語や思考、認識といったわれわれ人間側の事情から独立して、いってみれば世界の側でなりたっている事実をあきらかにする分野であると特徴づけられます。となると、ではいったいどのようにしてその人間側から独立したことがらについて知ることができるのでしょうか。この問に答えなくてはならないようにおもえます。
「意味論をすることが形而上学をすることである」というMichael Dummettの方法論、さらにはTimothy Williamsonの自然科学と似たように行う「安楽椅子科学」としての哲学(形而上学)というアイディアを検討します。とくにWilliamson Modal Logic as Metaphysics は、方法論だけでなく題材も様相論理を形而上学として転回するという話なので、重要な参照点となるでしょう。
哲学的論理学/形式化された哲学
うえで述べたように、様相概念の実態を、論理学や自然科学の道具や成果を援用しつつ明らかにする、というのが第一のプロジェクトです。 が、様相以外の、伝統的に哲学分野で議論されてきた概念についても、形式的な理論を応用するということに関心があります。
コミュニケーション四部作
一見、マイナーな境界事例にみえる事象こそ、コミュニケーションや言語の根幹が垣間見えたり、いや、それ自体が根幹をなしているのではないか、という超ざっくりした仮説のもと、いろいろ検証していきます。2050年完結予定。
脅迫 規則にしたがうこと、そして、後述の礼儀の後ろに効いているのも、これかもしれません。
冗談 もうひとつの側面、すなわち
礼儀
沈黙
曖昧性
曖昧性それ自体をとりだして考えるのはむずかしいので、なにかをバイパスさせることを考えます。 具体的には、
外的要因
オルタナティブ意味論の探求
様相論理の意味論は、Kripke意味論という別名でも知られる関係性意味論 relational semanticsが業界のデファクトスタンダードですが、それ以外の意味論もいくつか提案されていて、それらにはそれらなりのよさがあります。とくに表現力について(どれだけ異なった論理を
概念工学
やってます。